こんにちは、こたろーです。
今月、わたしの保有銘柄の一つ、AT&Tのスピンオフがありました。
どんなことが起こったのか、そしてわたしが行った対応について記事に書きます。
保有銘柄でスピンオフを経験するのは4度目です(PFE、MRK、IBM、そして今回のT)。
色々めんどくさいのでスピンオフはあまり起きないでほしいところですが、米国個別株投資をやっているからには避けられないことでしょう。
後で役に立つかもしれないので、忘れないうちに記事にして記録しておきます。
なお、この記事に書いた内容に関して、証券会社や税務署に裏付けをとったりはしていません。あくまでわたし個人の体験、感想としてご覧ください。
何かの参考になりましたら幸いです。
AT&Tのスピンオフとは
新会社「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー」の設立・分社化
AT&T[ティッカー:T]のメディア事業部門を分離、「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー[ティッカー:WBD]」という新会社ができました。
以前こちらの記事に書きました。
AT&T株保有者への影響は?
新会社WBD株式の分配と、T株価減少
2月に報じられた通り、Tの株式保有者にはT:1株あたりWBD:約0.24株が付与される、とのことです。
直前に保有者には証券会社から案内があったようです。
権利落日:4/11(月)とのことで、4/8(金)の取引終了時点、日本時間だと4/9(土)午前5時時点でTを保有していた場合が対象で、4/11(月)にWBDが一般口座へ入庫される、といった内容です。
Tを100株持っていたら、WBDを24株もらえる、というわけです。
ただで株式がもらえるラッキーな話と言いたいところですが、株式分割のようなもので、WBDを分離したことに伴いTの株価も減少し、トータルでは損も得もない、ということのようです。
Tの株価がどれくらい下がるかは、その時にならないとわからない状況のようでした。
そして、一般口座へ入庫されてしまうのが、厄介なところです。
一般口座への入庫・払い出し
証券会社によって対応が異なるようでした。
Twitterや掲示板などでこの件は話題になっていて、ファイザーやメルク、IBMのスピンオフの時はそれほどでもなかった記憶なので、さすが、Tは日本国内で人気のある銘柄だな、と感じました。
発信してくださった方々の情報を整理すると、例えば、「スピンオフ前にT100株保有していた」場合で書きます。
パターンA
これが一番わかりやすいですかね。新会社の株式が一般口座へ入庫される、というだけです。
一般口座 | 特定口座 | |
---|---|---|
スピンオフ前 | ー | T:100株 |
スピンオフ後 | WBD:24株 | T:100株 |
ただ、この対応をしてくれる証券会社は少ないようで、マネックス証券が該当するのでは、という情報がありました。(追記:後日入手した情報によると、マネックス証券さんもパターンBになるようです)
パターンB
次のパターンはあまり嬉しくないやつです。もともと特定口座で保有していたT株が一般口座へ移されてしまいます。
しかも取得価格0円扱いになってしまい、損益の状況がわからなくなってしまう、というおまけ付きです。一般口座だと自身で確定申告をしなければならないのに、ちょっとつらいです。
一般口座 | 特定口座 | |
---|---|---|
スピンオフ前 | ー | T:100株 |
スピンオフ後 | T:100株 WBD:24株 | ー |
SBI証券、楽天証券といった証券会社は、このパターンのようです。
パターンC(NISA口座)
もしNISA口座でTを保有していた場合は、パターンBの証券会社だったとしても、パターンAのような対応になるようです。
一般口座 | NISA口座 | |
---|---|---|
スピンオフ前 | ー | T:100株 |
スピンオフ後 | WBD:24株 | T:100株 |
もしかしたらWBD株式をNISA口座に入庫してくれる証券会社もあるのかもしれませんが、そういった情報は未確認です(追記:マネックス証券さんはWBDをNISA口座へ入庫してくれたようです)。
なぜこんな違いが? どういった対応が必要?
ここはわたしの推測で書きます。
最近、「特定口座とは?」という記事を書いたのですが、特定口座というのは本来本人が実施すべき税金の処理を、証券会社に代行してもらうための仕組みです。
つまり、証券会社が代行できる内容であることが大前提としてあるわけです。
通常ではあり得ないようなマニアックな取引で税金の計算が複雑だったり、スピンオフのように分社形態によってケースバイケース、個別対応が発生する案件では、特定口座における代行サービスを正確にこなすのが難しいのではないか、と想像しました。
なので、「確定申告や納税って、もともと自分でやるものだから、自分でやってね」という感じで、一般口座へ放り込むような対応にならざるを得ない、ということかなぁ、と。
NISA(非課税口座)の場合は、税金のことを考慮しなくていいからそのままにできる、のかなと。
実際、今回の件で課税の扱いを証券会社へ問い合わせした方が結構いらっしゃいました。
棚ぼた的に手に入るWBD株式について、譲渡益や配当金のように所得として課税対象となるのか、違うのか、といった議論で、意見も分かれるところです。
分配されるWBD株式は課税対象として確定申告の対象なのか、対象とした場合、取得価格が無いので損益が不明だが、どのように税額を算出するのか、といった内容です。
結果、「当社ではわからないので、税務署へ問い合わせてくれ」との回答ばっかりのようでした。
まぁ、代行サービスを請け負って源泉徴収しているだけであって、証券会社は税務署ではありませんからね。
税務署に問い合わせをされた方もいらっしゃって、税務署も即答というよりは、個別に確認を取らないとわからないような雰囲気でした。
そんな、税務署に確認を取らないと判断できないようなケースバイケースの対応になるなら、たしかに特定口座で税金処理の代行を請け負うのは難しいかもです。
米国と日本では同じではなさそうですし、どういうスピンオフなのか、によっても扱いは変わりそうです。
実際、過去のスピンオフで、わたしはマネックス証券の特定口座で保有していますが、ファイザーとIBMはパターンAでしたが、メルクはパターンBでした。
マネックス証券からの案内では、「メルクのスピンオフは資本の減少を伴うため、特定口座での保有は継続できない」とのことでした。
わたしが行った対応
事前に売却し、買い戻しました
わたしは過去3回のスピンオフでは全て、スピンオフが終わるまで気づかずに事後であたふたするという有様でした。
今回は、事前にTを売却して、スピンオフが終わったら買い戻す、という対応をとろうと決めていました。
一般口座に入庫されるのは嫌でしたし、Tは大きな含み損を抱えていて、今年どこかで損出ししたいと考えていたので。
事前に情報収集で検索していたところ、新会社株式付与の権利基準日:4/5ということを書かれたブログを見つけ、4/4に全343株を売却しました。
実際には権利落日は4/8だったわけですが、ギリギリ過ぎて間に合わなくても嫌なので、少し余裕をもって売却したかったので、OKです。
それから、買い戻すタイミングを伺っていましたが、4/11(月)にTの株価が18ドル台に急に下がりました。
スピンオフ後の株価で買える日を待っていたので、お、きたか、と。
新会社の株式は分配が0.241917株だったことから、T株価は5ドルくらい減、18ドル強になるだろうという予測をTwitterや掲示板で教えていただいていたので、予想通りの展開。
結果、18.80ドルで約定、445株を購入し、無事買い戻すことができました。
4/11のTの株価は、終値:19.63ドル、+7.74%の大幅上昇でしたので出遅れていたら危なかったです。マーケットが開く直前に買い注文が入れられてラッキーでした。
買い戻し後のポートフォリオ状況
この表の通り、ほぼ同額、130ドルほど資金追加した形で買い戻すことができました。
売却 | 買戻 | |
---|---|---|
約定日 | 4/4 | 4/11 |
T株価 | $24.00 | $18.80 |
株数 | 343株 | 445株 |
取引価格 | $8,232 | $8,366 |
売却前の取得単価は30.30ドルでしたので、売却損益は−2,160.90ドルとなりましたが、長らく抱えていた含み損は見えなくなりスッキリです。
また、嬉しい誤算というか、配当利回りについては再認識しました。以前の記事で、このように書きました。
−46.6% の減配であることは事実なのですが、例えばスピンオフ直後4/11の始値18.89ドルを基準にすると、配当利回り「5.88%」になるんです。
いや、減配減配、とずっと連呼してしまっていましたが、減配後でも充分な高配当ですよね。
さらに、前述の通り買い戻し作戦をとったことから、WBD株式の分配権利は放棄しましたが、その分、差額でTの株数を増やすことができています。343株→445株、3割アップです。
結果、わたしのTの配当見込み額は、46.6%減ではなく、30.8%減、ということになります。
これは嬉しい。
もし、事前売却の策をとらなかったとしたら、4/11時点ではWBDはまだ入庫されておらず、売却もできません(WBD入庫は1〜2日タイムラグがあるようなので)。この価格でTを購入するのは無理でした。
まとめ
ダラダラと書き殴る記事になってしまい恐縮ですが、AT&Tスピンオフに伴う諸々を書きました。
投資を始めて間もない頃の、ファイザーやメルクのスピンオフの際は、何が起こっているかわからず、どう対処すればよいかわからず、オロオロしてしまいましたが、だいぶ慣れてきました。
今回のAT&Tは、自分としてはほぼ理想的な対応が取れて、満足しています。
Twitterをはじめ、情報を提供してくださった方には感謝です。
スピンオフなんてもう二度と経験したくないなぁと思っていましたが、米国株、しかもわたしのポートフォリオは、高配当・連続増配株で構成しています。
つまり、歴史ある大型企業のバリュー株ばっかり。
スピンオフは、今後もありますよね、当然。。。
自身もスムーズに対応できるようになっていきたいとともに、わたしのように右往左往してしまう人は結構いるんだなぁと、今回掲示板を見たりしながら感じました。
そういった人たちの役に立てるような情報発信を今後できるようになっていきたいですね。
この記事は思いつくまま書いてしまい、わかりやすさは全然足りないですが、今後はその辺りも。