【米国高配当株】公益セクターの銘柄をピックアップ［2022年版］

こんにちは、こたろーです。

投資信託の積立と高配当株投資のハイブリッドで資産形成に取り組んでいます。

この記事では、公益セクターの高配当株について見ていきます。

わたしが実践している高配当株投資のポートフォリオでは公益セクターの銘柄は採用していないのですが、今後どうなるかわかりませんし、採用銘柄の他セクターと同様に銘柄チェックはしています。

銘柄選定の考え方・手順

20年かけて配当金を増やし、月10万円の不労所得を実現するマネーマシンを構築するプランなのですが、問題は途中で「減配・無配」が発生してしまうことです。

そのため、なるべく増配を続けてくれそうな銘柄でポートフォリオを組む必要があります。

また、ポートフォリオ構成銘柄の中で万が一減配などが発生し、銘柄入替をせざるを得ない場合に備えて、入替候補の銘柄も準備したいと考えています。

配当利回りだけ見て、高配当の銘柄ばかり選ぶのは危険です。

わたしは難しい企業分析などはできませんので、「増配を続けてくれる（そして、利回り・増配率がなるべく高い）」銘柄の条件として、シンプルに以下の数値を基準に銘柄を選抜しています。

また、上記の数値以外でも、「NYダウに採用されている」などのように、高い評価を受けている銘柄は優先順位を上げる考えです。

S&P500採用銘柄から候補をピックアップ

候補はS&P500指数を構成する銘柄から選ぶことにします。

今回は、公益セクターを対象にします。

以下の手順で対象銘柄を絞り込んでいきました。

（１）スクリーニングの元データを準備

「IVV（iシェアーズ・コア S&P 500 ETF）」の2022/8/19付で組入銘柄をブラックロック社Webサイトからダウンロードしました。

公益セクターの銘柄は、29銘柄ありました。

（２）条件で絞り込み、必要な数値の調査

ここからは、わたしが利用しているWebサイト「Seeking Alpha」のMy Portfolio機能を利用します。

上記をSeeking Alphaを活用して調査し、表計算ソフトにコピペしました。

（３）検討対象のピックアップ完了

候補に残った銘柄は以下でした。

ティッカー	銘柄名	Years of Growth （増配年数）	配当利回り （Yield FWD）
SO	Southern	20 Years	3.39%
DUK	Duke Energy	10 Years	3.55%
PEG	Public Service Enterprise Group	10 Years	3.11%
PNW	Pinnacle West Capital	10 Years	4.36%
ED	Consolidated Edison	47 Years	3.14%
EIX	Edison International	16 Years	3.91%

ピックアップ銘柄から採用候補を選抜

さて、ここからは少し細かく見ていきます。

ティッカー	3 year YoC	5 year YoC	FCF Margin	配当支払
SO	4.65%	5.55%	-3.10%	3,6,9,12月
DUK	4.34%	4.58%	-10.15%	3,6,9,12月
PEG	3.59%	4.50%	-11.00%	1,4,7,10月 （3,6,9,12月末）
PNW	3.59%	3.81%	-12.86%	3,6,9,12月
ED	3.58%	3.77%	-4.24%	3,6,9,12月
EIX	3.84%	3.50%	-14.01%	2,5,8,11月 （1,4,7,10月末）

「Yield on Cost」で比較

この表は「5 year YoC（Yield on Cost）」の高い順に並べています。

長期保有で配当を期待するので、わたしはこの「Yield on Cost（購入価格に対する配当利回り）」が高い銘柄を優良銘柄と考えるようにしています。

なので、この表の上位から採用銘柄を選んでいけば良いわけですが、将来的にずっと配当を払い続けてくれるかどうかの指標として、フリーキャッシュフロー・マージンも確認します。

「フリーキャッシュフロー・マージン」もチェック

連続増配年数がある一定以上なので、その実績は頼りになる一つの指標ですがあくまで過去の話です。

今後どうなのか？という観点で「FCF Margin」が低すぎる銘柄は心配です。

ある程度の水準でふるいにかけたいところですが、全ての銘柄でマイナス値だったので、今回は絞り込むのはやめました。（業界全体の傾向だろうと考えました）

高配当ETFへの組入状況

高配当ETFとして有名なVYMとHDVの構成銘柄との突き合わせも見ておきます。

下の表は、VYM組入銘柄（2022/7/31付、全443）とHDV組入銘柄（2022/8/19付、全81）の中に、今回ピックアップした銘柄が含まれているか、含まれている場合はその組入比率と順位を調べたものです。

おまけで、NYダウ採用銘柄かどうかも付記します。

公益事業の銘柄は、NYダウ（ダウ工業株30種平均）の方ではなく「ダウ公共株15種平均」の方に選定されるので、そちらも付記します。

銘柄	VYM 比率（順位）	HDV 比率（順位）	【参考】 NYダウ（工業）	【参考】 ダウ公益
SO	0.58%（47位）	1.68%（23位）	ー	○
DUK	0.60%（46位）	1.68%（22位）	ー	○
PEG	0.23%（99位）	0.61%（35位）	ー	○
PNW	0.06%（211位）	ー	ー	ー
ED	0.25%（96位）	ー	ー	○
EIX	0.18%（120位）	ー	ー	○

VYMには48銘柄、HDVには14銘柄が組み入れられていました。

上記以外の銘柄では、SRE（センプラ・エナジー）, AEP（アメリカン・エレクトリック・パワー）, XEL（エクセル・エナジー）, WEC（WECエナジー・グループ）, FE（ファーストエナジー）などといった銘柄が上位に名前を連ねています。

2022年版【My Blue-Chips】公益セクターの候補銘柄

わたしの配当ポートフォリオ「My Blue-Chips」は、毎月配当であることも銘柄構成の条件にしています。

配当支払月毎に、候補銘柄を見ていきます。

配当支払月：1, 4, 7, 10月の銘柄

以下の1銘柄が候補に残りました。

• ［PEG］Public Service Enterprise Group

実際の配当支払日は3, 6, 9, 12月の月末ですが、証券口座に入金されるときには月を跨いでいるので、このグループに分類しています。

配当支払月：2, 5, 8, 11月の銘柄

以下の1銘柄が候補に残りました。

• ［EIX］Edison International

この銘柄も、実際の配当支払日は1, 4, 7, 10月の月末のため、証券口座に入金されるときには月を跨いでいることからこのグループに分類しています。

配当支払月：3, 6, 9, 12月の銘柄

以下の4柄が候補になりました。

• ［SO］Southern
• ［DUK］Duke Energy
• ［PNW］Pinnacle West Capital
• ［ED］Consolidated Edison

公益セクターの銘柄としては、有名どころですね。

まとめ

今回は公益セクターの銘柄を調査しました。

このセクターは比較的高配当な銘柄が多く、公益事業という業界的な安定感からも、高配当株投資に向いていると思われます。

わたしのポートフォリオには現在採用していないのですが、ポートフォリオ構築初期には組み入れていて、今回は候補に残りませんでしたがPPLという銘柄を保有していました。

今回候補に残ったDUKやSO、その他にもDやNEEなど、いくつかの銘柄を検討していました。

最終的には、ポートフォリオの銘柄数を絞り込んでいく中で、公益セクター自体を組み入れない方針にしたので、現在は保有していません。

事業内容的に安定感がある一方で、成長期待も感じづらいところがあり、個人的には不採用の方向としました。

しかし、高配当株投資としては、魅力的な銘柄はたくさんあるセクターですね。

皆さんにも少しでも参考になれば幸いです。