こんにちは、こたろーです。
投資信託の積立と高配当株投資のハイブリッドで資産形成に取り組んでいます。
この記事では、金融セクターの高配当株について見ていきます。
銘柄選定の考え方・手順
20年かけて配当金を増やし、月10万円の不労所得を実現するマネーマシンを構築するプランなのですが、問題は途中で「減配・無配」が発生してしまうことです。
そのため、なるべく増配を続けてくれそうな銘柄でポートフォリオを組む必要があります。
また、ポートフォリオ構成銘柄の中で万が一減配などが発生し、銘柄入替をせざるを得ない場合に備えて、入替候補の銘柄も準備したいと考えています。
配当利回りだけ見て、高配当の銘柄ばかり選ぶのは危険です。
わたしは難しい企業分析などはできませんので、「増配を続けてくれる(そして、利回り・増配率がなるべく高い)」銘柄の条件として、シンプルに以下の数値を基準に銘柄を選抜しています。
また、上記の数値以外でも、「NYダウに採用されている」などのように、高い評価を受けている銘柄は優先順位を上げる考えです。
選定候補をピックアップ
今回は、金融セクターを対象にします。
実は、金融セクターの銘柄については、Seeking AlphaでFCFマージンの値が確認できない銘柄が多数あったので、いつもと少し手順を変えています。
以下の手順で対象銘柄を絞り込んでいきました。
(1)スクリーニングの元データを準備
「IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)」の2022/8/26付で組入銘柄をブラックロック社Webサイトからダウンロードしました。
金融セクターの銘柄は、66銘柄ありました。
(このあと、VYMとHDVの構成銘柄からピックアップしていくことにしたので、このデータ、結局使いませんでした…)
(2)絞り込み、必要な数値の調査
いつもならSeeking Alphaで数値を確認していくのですが、今回は、高配当ETFのVYMとHDVの構成銘柄からピックアップしていきました。
それぞれ金融セクターの組入状況は、2022/7/31付のVYMで443銘柄中153銘柄、2022/8/26付のHDVで81銘柄中17銘柄ありました。
たくさん含まれていますね。VYMに至っては、金融セクターは組入比率トップで、19.68%も含まれています。HDVは6.67%でした。
このままでは数が多すぎるので、VYMの組入順位100位までに入っている銘柄に絞り込むことにします。
そうすると、VYMでは20銘柄、HDVでは3銘柄が残ります。
(3)検討対象のピックアップ完了
候補に残った銘柄は以下でした。
ティッカー | 銘柄 | VYM 組入順位 | VYM 組入比率 | HDV 組入順位 | HDV 組入比率 |
---|---|---|---|---|---|
JPM | JPMorgan Chase | 3位 | 2.40% | ー | ー |
BAC | Bank of America | 12位 | 1.69% | ー | ー |
WFC | Wells Fargo | 20位 | 1.19% | ー | ー |
GS | Goldman Sachs Group | 37位 | 0.79% | ー | ー |
MS | Morgan Stanley | 38位 | 0.77% | ー | ー |
C | Citigroup | 40位 | 0.73% | ー | ー |
BLK | BlackRock | 42位 | 0.71% | ー | ー |
CB | Chubb | 49位 | 0.57% | ー | ー |
CME | CME Group | 53位 | 0.51% | ー | ー |
BX | Blackstone | 54位 | 0.51% | 20位 | 1.74% |
PNC | PNC Financial Services Group | 55位 | 0.49% | 25位 | 1.33% |
PGR | Progressive | 57位 | 0.48% | ー | ー |
TFC | Truist Financial | 58位 | 0.48% | ー | ー |
USB | US Bancorp | 63位 | 0.45% | 26位 | 1.23% |
MET | Metlife | 79位 | 0.31% | ー | ー |
AIG | American International Group | 85位 | 0.29% | ー | ー |
TRV | Travelers Companies | 88位 | 0.27% | ー | ー |
PRU | Prudential Financial | 89位 | 0.27% | ー | ー |
AJG | Arthur J. Gallagher | 91位 | 0.27% | ー | ー |
AFL | AFLAC | 92位 | 0.26% | ー | ー |
ピックアップ銘柄から採用候補を選抜
さて、ここから絞り込んでいきます。
まず、増配年数(Years of Growth)が0年の銘柄と、配当利回りが2.0%未満の銘柄は、除外することにしました。確認したところ、WFC, C, CB, PGR, AIG, AJGの6銘柄がここで脱落です。
そしてさらに、5 Year YoCの高い銘柄を優良銘柄と扱う考えでいますので、3.0%以上を候補として残すことにします。この時点で、CMEとTRVが脱落です。
残った12銘柄はこの表の通りです。
ティッカー | 配当利回り (Yield FWD) | Years of Growth (増配年数) | 3 year YoC | 5 year YoC | 配当支払 |
---|---|---|---|---|---|
BX | 5.15% | 1 Year | 10.32% | 16.25% | 2,5,8,11月 |
MS | 3.57% | 8 Years | 7.23% | 6.26% | 2,5,8,11月 |
PRU | 4.87% | 13 Years | 6.07% | 4.62% | 3,6,9,12月 |
JPM | 3.49% | 7 Years | 3.78% | 4.35% | 2,5,8,11月 (1,4,7,10月末) |
BLK | 2.89% | 12 Years | 4.39% | 4.33% | 3,6,9,12月 |
PNC | 3.70% | 2 Years | 4.43% | 4.30% | 2,5,8,11月 |
TFC | 4.32% | 7 Years | 4.29% | 4.25% | 3,6,9,12月 |
MET | 3.05% | 9 Years | 4.47% | 4.08% | 3,6,9,12月 |
AFL | 2.63% | 39 Years | 3.12% | 3.78% | 3,6,9,12月 |
GS | 2.38% | 10 Years | 4.04% | 3.60% | 1,4,7,10月 (3,6,9,12月末) |
BAC | 2.47% | 8 Years | 3.17% | 3.53% | 3,6,9,12月 |
USB | 3.96% | 11 Years | 3.61% | 3.53% | 1,4,7,10月 |
「Yield on Cost」で比較
この表は「5 year YoC(Yield on Cost)」の高い順に並べています。
長期保有で配当を期待するので、わたしはこの「Yield on Cost(購入価格に対する配当利回り)」が高い銘柄を優良銘柄と考えるようにしています。
なので、この表の上位から採用銘柄を選んでいけば良いわけですが、将来的にずっと配当を払い続けてくれるかどうかの指標として、フリーキャッシュフロー・マージンも確認します。
「フリーキャッシュフロー・マージン」もチェック、…しませんでした
いつもは確認するのですが、前述の通り今回はFCFマージンの確認を省略しました。
2022年版【My Blue-Chips】金融セクターの候補銘柄
わたしの配当ポートフォリオ「My Blue-Chips」は、毎月配当であることも銘柄構成の条件にしています。
配当支払月毎に、候補銘柄を見ていきます。
配当支払月:1, 4, 7, 10月の銘柄
以下の2銘柄が候補に残りました。
- [GS]Goldman Sachs Group
- [USB]US Bancorp
GSの実際の配当支払日は3, 6, 9, 12月の月末ですが、証券口座に入金されるときには月を跨いでいるので、このグループに分類しています。
わたしのポートフォリオ採用銘柄はUSBです。
GSはNYダウ銘柄でもあり安心して保有できる銘柄ですが、ここは配当利回りが高く、HDVにも組み入れられているUSBを採用しました。
GSは少々利回りが物足りないものの、入替候補になりうる銘柄ですね。
配当支払月:2, 5, 8, 11月の銘柄
以下の4銘柄が候補に残りました。
- [BX]Blackstone
- [MS]Morgan Stanley
- [JPM]JPMorgan Chase
- [PNC]PNC Financial Services Group
JPMについても、配当支払日は1, 4, 7, 10月の月末のため、証券口座に入金されるときには月を跨いでいることからこのグループに分類しています。
わたしのポートフォリオ採用はJPMです。
MSはJPMと甲乙つけがたい銘柄ですが、NYダウ銘柄であるJPMの方が、安心して保有できます。
あとで気がついたのですが、BXはS&P500に入っていないのですね。今まで知らなかった銘柄ですが、HDVの上位にも入っていて、増配の勢いが凄まじいですね。ただ、過去には減配もたびたびあるようです。これで安定した連続増配が期待できるなら素晴らしいですね。
配当支払月:3, 6, 9, 12月の銘柄
以下の6柄が候補になりました。
- [PRU]Prudential Financial
- [BLK]BlackRock
- [TFC]Truist Financial
- [MET]Metlife
- [AFL]AFLAC
- [BAC]Bank of America
わたしのポートフォリオ採用銘柄はPRUです。
その他も、有名な銘柄が並びましたね。
まとめ
今回は金融セクターの銘柄を調査しました。
現在の相場が金融セクター下落気味なせいもあるのか、全体的に配当利回りが高めなように感じました。
VYMにも多数組み入れられているセクターです。
ただ、経済の動向や政策に影響を受けやすく、株価の乱高下もありそうですから、ディフェンシブな感じはしませんね。
高配当株投資の対象としては賛否あるかもしれませんが、わたしはできるだけセクター分散したかったこともあり、USB, JPM, PRUの3銘柄を保有しています。
今回も上位に残ってくれました。
それ以外だと、途中まで候補に残っていた、WFCを保有していたこともあったり、TRVやCも検討していました。
集中投資はちょっと怖いですけど、金融セクターは魅力的な銘柄が多いセクターですね。
皆さんにも少しでも参考になれば幸いです。