こんにちは、こたろーです。
投資信託の積立と高配当株投資のハイブリッドで資産形成に取り組んでいます。
この記事では、資本財セクターの高配当株について見ていきます。
わたしが実践している高配当株投資のポートフォリオでは資本財セクターの銘柄は採用していないのですが、今後どうなるかわかりませんし、採用銘柄の他セクターと同様に銘柄チェックはしています。
銘柄選定の考え方・手順
20年かけて配当金を増やし、月10万円の不労所得を実現するマネーマシンを構築するプランなのですが、問題は途中で「減配・無配」が発生してしまうことです。
そのため、なるべく増配を続けてくれそうな銘柄でポートフォリオを組む必要があります。
また、ポートフォリオ構成銘柄の中で万が一減配などが発生し、銘柄入替をせざるを得ない場合に備えて、入替候補の銘柄も準備したいと考えています。
配当利回りだけ見て、高配当の銘柄ばかり選ぶのは危険です。
わたしは難しい企業分析などはできませんので、「増配を続けてくれる(そして、利回り・増配率がなるべく高い)」銘柄の条件として、シンプルに以下の数値を基準に銘柄を選抜しています。
また、上記の数値以外でも、「NYダウに採用されている」などのように、高い評価を受けている銘柄は優先順位を上げる考えです。
S&P500採用銘柄から候補をピックアップ
候補はS&P500指数を構成する銘柄から選ぶことにします。
今回は、資本財セクターを対象にします。
以下の手順で対象銘柄を絞り込んでいきました。
(1)スクリーニングの元データを準備
「IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)」の2022/8/5付で組入銘柄をブラックロック社Webサイトからダウンロードしました。
資本財セクターの銘柄は、71銘柄ありました。
(2)条件で絞り込み、必要な数値の調査
ここからは、わたしが利用しているWebサイト「Seeking Alpha」のMy Portfolio機能を利用します。
上記をSeeking Alphaを活用して調査し、表計算ソフトにコピペしました。
(3)検討対象のピックアップ完了
候補に残った銘柄は以下でした。
ティッカー | 銘柄名 | Years of Growth (増配年数) | 配当利回り (Yield FWD) |
---|---|---|---|
FAST | Fastenal | 23 Years | 2.34% |
UPS | United Parcel Service | 12 Years | 3.09% |
LMT | Lockheed Martin | 19 Years | 2.63% |
RHI | Robert Half International | 16 Years | 2.18% |
SNA | Snap-on | 12 Years | 2.55% |
ITW | Illinois Tool Works | 26 Years | 2.32% |
EMR | Emerson Electric | 25 Years | 2.28% |
MMM | 3M | 63 Years | 4.04% |
HON | Honeywell International | 11 Years | 2.04% |
RTX | Raytheon Technologies | 21 Years | 2.36% |
ピックアップ銘柄から採用候補を選抜
さて、ここからは少し細かく見ていきます。
ティッカー | 3 year YoC | 5 year YoC | FCF Margin | 配当支払 |
---|---|---|---|---|
FAST | 4.14% | 5.52% | 5.72% | 2,5,8,11月 |
UPS | 4.42% | 4.53% | 7.23% | 3,6,9,12月 |
LMT | 3.00% | 3.70% | 6.16% | 3,6,9,12月 |
RHI | 2.90% | 3.66% | 8.46% | 3,6,9,12月 |
SNA | 3.62% | 3.59% | 6.75% | 3,6,9,12月 |
ITW | 3.28% | 3.42% | 10.46% | 1,4,7,10月 |
EMR | 3.37% | 3.35% | 10.63% | 3,6,9,12月 |
MMM | 3.63% | 2.86% | 11.03% | 3,6,9,12月 |
HON | 2.35% | 2.76% | 9.90% | 3,6,9,12月 |
RTX | 1.61% | 1.71% | 9.63% | 3,6,9,12月 |
「Yield on Cost」で比較
この表は「5 year YoC(Yield on Cost)」の高い順に並べています。
長期保有で配当を期待するので、わたしはこの「Yield on Cost(購入価格に対する配当利回り)」が高い銘柄を優良銘柄と考えるようにしています。
なので、この表の上位から採用銘柄を選んでいけば良いわけですが、将来的にずっと配当を払い続けてくれるかどうかの指標として、フリーキャッシュフロー・マージンも確認します。
「フリーキャッシュフロー・マージン」もチェック
連続増配年数がある一定以上なので、その実績は頼りになる一つの指標ですがあくまで過去の話です。
今後どうなのか?という観点で「FCF Margin」が低すぎる銘柄は心配です。
今回は5%以上で考えて、12銘柄中2銘柄(SWK, CMI)を除外しました。上の表の10銘柄は除外後の一覧です。
高配当ETFへの組入状況
高配当ETFとして有名なVYMとHDVの構成銘柄との突き合わせも見ておきます。
下の表は、VYM組入銘柄(2022/6/30付、全443)とHDV組入銘柄(2022/8/5付、全81)の中に、今回ピックアップした銘柄が含まれているか、含まれている場合はその組入比率と順位を調べたものです。
おまけで、NYダウ採用銘柄かどうかも付記しました。
銘柄 | VYM 比率(順位) | HDV 比率(順位) | 【参考】 NYダウ |
---|---|---|---|
FAST | 0.21%(105位) | ー | ー |
UPS | 1.00%(30位) | 2.72%(15位) | ー |
LMT | 0.76%(37位) | 1.46%(24位) | ー |
RHI | ー | ー | ー |
SNA | 0.08%(185位) | 0.17%(55位) | ー |
ITW | 0.42%(63位) | ー | ー |
EMR | 0.35%(71位) | ー | ー |
MMM | 0.55%(51位) | 1.93%(20位) | ○ |
HON | 0.88%(35位) | ー | ○ |
RTX | 1.07%(28位) | ー | ー |
ちなみに、FCFマージンが4%台だったため除外したCMI(Cummins)は、VYMでは0.20%(110位)、HDVでは0.48%(39位)でした。マイナスだったSWKは、どちらにも含まれていませんでした。
2022年版【My Blue-Chips】資本財セクターの候補銘柄
わたしの配当ポートフォリオ「My Blue-Chips」は、毎月配当であることも銘柄構成の条件にしています。
配当支払月毎に、候補銘柄を見ていきます。
配当支払月:1, 4, 7, 10月の銘柄
以下の1銘柄が候補に残りました。
- [ITW]Illinois Tool Works
わたしはこの銘柄、知りませんでした。
配当利回りは少し物足りない気もしますが、増配実績やFCFもなかなか良い数字と感じます。
資本財セクターでこのグループだと、UNP(Union Pacific)に注目しているのですが、連続増配が途切れてしまっていたため、今回は候補に残りませんでした。
配当支払月:2, 5, 8, 11月の銘柄
以下の1銘柄が候補に残りました。
- [FAST]Fastenal
聞いたことはあるけど、よく知らない企業でした。歴史あるファスナーの会社ですね。
配当利回りはもう一息ですが、増配の状況がよく、今回のわたしのスクリーニングでは上位に食い込みました。
高配当ETFでは、VYMではそれほど上位ではなく、HDVには含まれていません。
でも、マークしておきたい銘柄ですね。
配当支払月:3, 6, 9, 12月の銘柄
以下の8柄が候補になりました。
- [UPS]United Parcel Service
- [LMT]Lockheed Martin
- [RHI]Robert Half International
- [SNA]Snap-on
- [EMR]Emerson Electric
- [MMM]3M
- [HON]Honeywell International
- [RTX]Raytheon Technologies
たくさん銘柄がピックアップできました。もうちょっと絞り込んでおかないと候補と言えないですね(笑)。
この中なら、わたしのおすすめというか、注目銘柄はUPSとMMMですね。安心して長期保有できる銘柄といったら、この2つです。
配当利回りも高いですし、VYMとHDVでも上位に入っている銘柄です。
他の銘柄も優良銘柄なのだろうと思いますが、この2つが一歩リードしている印象です。
まとめ
今回は資本財セクターの銘柄を調査しました。
2年半前にポートフォリオを考えた際、30銘柄ほど購入して、その時は資本財セクターも含んでいました。
CAT, UPS, MMMを保有していました。
直後にコロナ・ショックになったりして、30銘柄から18銘柄に絞ることにしました。
その際、資本財セクターからは撤退する判断をして、3銘柄とも手放した、という経緯があります。
厳選した結果のことだったので、この3銘柄は今でも保有しても良いと思える銘柄です。UPSとMMMは候補の上位に残ってくれました。
CATは増配年数が7年だったので残りませんでしたね。でもNYダウ銘柄ですし、増配年数以外では今回候補に残った銘柄に負けていません。
それ以外で資本財セクターの銘柄としては、UNPやWMに注目しています。事業内容から見て、長期保有に向いていると感じていて、状況次第では候補に含めたい銘柄です。
皆さんにも少しでも参考になれば幸いです。