こんにちは、こたろーです。
投資信託の積立と高配当株投資のハイブリッドで資産形成に取り組んでいます。
この記事では、わたしが実践している高配当株投資のポートフォリオに採用する銘柄のうち、通信セクターについて見ていきます。
バイ&ホールドの長期投資の方針ではありますが、情勢が変わることもあるので年に1回は銘柄を洗い直すようにしています。
銘柄選定の考え方・手順
20年かけて配当金を増やし、月10万円の不労所得を実現するマネーマシンを構築するプランなのですが、問題は途中で「減配・無配」が発生してしまうことです。
そのため、なるべく増配を続けてくれそうな銘柄でポートフォリオを組む必要があります。
また、ポートフォリオ構成銘柄の中で万が一減配などが発生し、銘柄入替をせざるを得ない場合に備えて、入替候補の銘柄も準備したいと考えています。
配当利回りだけ見て、高配当の銘柄ばかり選ぶのは危険です。
わたしは難しい企業分析などはできませんので、「増配を続けてくれる(そして、利回り・増配率がなるべく高い)」銘柄の条件として、シンプルに以下の数値を基準に銘柄を選抜しています。
また、上記の数値以外でも、「NYダウに採用されている」などのように、高い評価を受けている銘柄は優先順位を上げる考えです。
S&P500採用銘柄から候補をピックアップ
候補はS&P500指数を構成する銘柄から選ぶことにします。
今回は、通信セクターを対象にします。
以下の手順で対象銘柄を絞り込んでいきました。
(1)スクリーニングの元データを準備
「IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)」の2022/4/28付で組入銘柄をブラックロック社Webサイトからダウンロードしました。
通信セクターの銘柄は、26銘柄ありました。
(2)条件で絞り込み、必要な数値の調査
ここからは、わたしが利用しているWebサイト「Seeking Alpha」のMy Portfolio機能を利用します。
上記をSeeking Alphaを活用して調査し、表計算ソフトにコピペしました。
(3)検討対象のピックアップ完了
候補に残った銘柄は以下でした。
なお、AT&Tは増配年数0年ですが、今まで増配を続けてきている銘柄でわたしのポートフォリオ採用銘柄でもあり、候補に残しています。(減配発表後最初の配当支払いは、今月5月)
ティッカー | 銘柄名 | Years of Growth (増配年数) | 配当利回り (Yield FWD) |
---|---|---|---|
VZ | Verizon Communications | 18 Years | 5.53% |
IPG | Interpublic Group of Companies | 11 Years | 3.56% |
T | AT&T | 0 Years | 5.89% |
OMC | Omnicom Group | 6 Years | 3.68% |
CMCSA | Comcast Corporation | 5 Years | 2.72% |
ピックアップ銘柄から採用候補を選抜
さて、ここからは少し細かく見ていきます。
ティッカー | 3 year YoC | 5 year YoC | FCF Margin | 配当支払 |
---|---|---|---|---|
VZ | 4.45% | 5.55% | 3.75% | 2,5,8,11月 |
IPG | 4.78% | 4.67% | 18.55% | 3,6,9,12月 |
T | 4.70% | 3.67% | 31.44% | 2,5,8,11月 |
OMC | 3.50% | 3.41% | 6.81% | 1,4,7,10月 |
CMCSA | 2.34% | 2.60% | 10.57% | 1,4,7,10月 |
「Yield on Cost」で比較
この表は「5 year YoC(Yield on Cost)」の高い順に並べています。
長期保有で配当を期待するので、わたしはこの「Yield on Cost(購入価格に対する配当利回り)」が高い銘柄を優良銘柄と考えるようにしています。
なので、この表の上位から採用銘柄を選んでいけば良いわけですが、将来的にずっと配当を払い続けてくれるかどうかの指標として、フリーキャッシュフロー・マージンも確認します。
「フリーキャッシュフロー・マージン」もチェック
連続増配年数がある一定以上なので、その実績は頼りになる一つの指標ですがあくまで過去の話です。
今後どうなのか?という観点で「FCF Margin」が低すぎる銘柄は心配です。
通常のわたしの銘柄選定だと一定水準で絞り込むのですが、今回は5銘柄しか残っておらず、FCFマージンがマイナスになっている銘柄もないので、5銘柄全て残すことにしました。
高配当ETFへの組入状況
高配当ETFとして有名なVYMとHDVの構成銘柄との突き合わせも見ておきます。
下の表は、VYM組入銘柄(2022/3/31付、全445)とHDV組入銘柄(2022/4/28付、全81)の中に、今回ピックアップした5銘柄が含まれているか、含まれている場合はその組入比率と順位を調べたものです。
おまけで、NYダウ採用銘柄かどうかも付記しました。
銘柄 | VYM 比率(順位) | HDV 比率(順位) | 【参考】 NYダウ |
---|---|---|---|
VZ | 1.44%(15位) | 4.82%(6位) | ○ |
IPG | 0.09%(173位) | ー | |
T | 1.13%(24位) | ー | |
OMC | 0.12%(151位) | ー | |
CMCSA | 1.41%(17位) | ー |
なかなか厳しい結果でした。
VZは流石のNYダウ銘柄、といったところですが、その他の銘柄ではHDVにいたっては全く含まれていない、という状況でした。
2022年版【My Blue-Chips】通信セクターの候補銘柄
わたしの配当ポートフォリオ「My Blue-Chips」は、毎月配当であることも銘柄構成の条件にしています。
配当支払月毎に、候補銘柄を見ていきます。
配当支払月:1, 4, 7, 10月の銘柄
以下の2銘柄が候補になりました。
- [OMC]Omnicom Group
- [CMCSA]Comcast Corporation
2銘柄ともポートフォリオに採用していませんが、悪くない、まずまずの銘柄です。
実際、コムキャストは採用直前まで検討したことのある銘柄でした。
ただ、現在ポートフォリオに組み入れているT、VZと比べると、ちょっと物足りない印象にはなってしまいます。
配当支払月:2, 5, 8, 11月の銘柄
以下の2銘柄が候補になりました。
- [VZ]Verizon Communications
- [T]AT&T
2銘柄ともポートフォリオ採用銘柄です。
最近株価は低迷していますが、両者ともアメリカを代表する大手キャリアですから、高配当株投資としてバイ&ホールドするには文句のない銘柄です。
特にTは、日本の投資家から人気がありますね。
先月のスピンオフ後は株価は上昇傾向です。連続増配は途切れてしまいましたが、減配後でも高い配当利回りの銘柄です。
わたしの方針としては、銘柄入替はせず、今後に期待して保有を続けたいと考えています。
配当支払月:3, 6, 9, 12月の銘柄
以下の1銘柄が候補になりました。
- [IPG]Interpublic Group of Companies
正直いうと、今までノーマークで知らない銘柄でした。
広告の会社ですね。
増配年数も10年超えていますし、配当利回りやYoC、FCFマージンなど、調査した数字はなかなか良い感じです。
しかし、HDVに採用されていないだけでなく、VYMでも今回の5銘柄では最下位。わたしの力ではリサーチしきれていませんが、他と比べ懸念のある銘柄なのでしょうか。
今のところ積極的にポートフォリオに組み入れることは考えませんが、頭の隅に覚えておきたい銘柄ですね。
まとめ
今回は通信セクターの銘柄を調査しました。
実は、2年前にポートフォリオを考えた際はきちんと調査したわけではありませんでした。
TやVZといった有名銘柄が既に候補としてあり、通信セクターでそんなに銘柄数を増やすつもりもなかったので、コムキャストが少し候補になった程度でした。
今回あらためて調査して、知らなかった銘柄もピックアップできました。
TとVZという重鎮が抑えているポートフォリオのこの一角は、なかなか変更しないとは思いますが、最近低調が続いている部分でもあるので、情報収集としては良かったです。
皆さんにも少しでも参考になれば幸いです。