こんにちは、こたろーです。
この記事では、わたしの高配当株ポートフォリオを紹介し、その設計思想や構築の経緯について書きます。
わたしの高配当株ポートフォリオ
このポートフォリオは2019年末〜2020年前半にかけて考えました。
今ではお気に入りの18銘柄となり、ポートフォリオに「My Blue-Chips」という名前まで付けてしまいました(笑)
銘柄構成
わたしの高配当株ポートフォリオは、この表の18銘柄で構成しています。
1,4,7,10 | 2,5,8,11 | 3,6,9,12 | |
---|---|---|---|
Technology | CSCO | TXN | IBM |
Healthcare | MRK | ABBV | PFE |
Financials | USB | JPM | PRU |
Consumer(s) | KO | PG | MCD |
Tobacco | MO, PM | ー | ー |
Communication | ー | T, VZ | ー |
Energy | ー | ー | XOM, CVX |
(ティッカーをクリックすると、各銘柄の情報を整理したページを別ウィンドウで開きます)
ポートフォリオの特徴
特徴①:セクター分散
構成銘柄は、セクターを分散するように選んでいます。
全11セクターのうち、
- 情報技術 … 3銘柄
- ヘルスケア … 3銘柄
- 金融 … 3銘柄
- 生活必需品(含タバコ) … 4銘柄
- 一般消費財 … 1銘柄
- 通信 … 2銘柄
- エネルギー … 2銘柄
の7セクターを組み入れています。
タバコ銘柄を入れている分、生活必需品が少し多めで、一般消費財はMCDの1銘柄のみで少なめになっています。
特徴②:均等ウェイト
各銘柄の組入比率については、均等加重(Equal Weight)型を採用しました。
シンプルに、それぞれの銘柄を同額で保有する方針としています。
株価は日々変動しますし、銘柄毎に単価も異なります。全ての銘柄の評価額を完全に一致させるのは不可能なのですが、なるべく同額に、という方針で管理しています。
特徴③:配当月分散(毎月配当)
配当支払月を分散して、毎月配当金を受け取れるポートフォリオとして考えました。
米国株ではほとんどの場合、年4回の配当金が支払われますが、配当支払月は銘柄によって異なります。
それをパターン分けしてグループ化し、どの月でも各セクターから配当金を受け取れるようにしてあります。
CSCO, MRK, USB, KO, MO, PM | TXN, ABBV, JPM, PG, T, VZ | IBM, PFE, PRU, MCD, XOM, CVX | |
---|---|---|---|
1月 | ○ | ||
2月 | ○ | ||
3月 | ○ | ||
4月 | ○ | ||
5月 | ○ | ||
6月 | ○ | ||
7月 | ○ | ||
8月 | ○ | ||
9月 | ○ | ||
10月 | ○ | ||
11月 | ○ | ||
12月 | ○ |
特徴④:配当利回り
税引後の配当利回り「3.0%以上」を目標利回りと設定し、目安にしています。
税引前だと、4.2%以上が必要です。
これは、代表的な高配当ETFであるVYMやHDVを上回る値です。SPYDとほぼ同等、といったところです。
その水準を、自作ETFとも言えるこのポートフォリオで目指しています。
パフォーマンス
ポートフォリオのパフォーマンスを示すデータとして、「Portfolio Visualizer」によるバックテストを紹介します。
わたし自身の運用成績は後述しますが、資産額を示してもわたしの買い方による影響が出てしまいますので、純粋にポートフォリオの力という意味で、バックテスト・シミュレーションを見たいと思います。
代表的な高配当ETFとして、VYMおよびSPYDと比較しました。(HDVとの比較も別途してみましたが、おおよそ同じくらいの結果でした)
参考として、S&P500との比較もしています。
リターン
データ期間は、SPYDが設定されて以降、2016年から2022年9月までです。
青がわたしのポートフォリオ、赤がVYM、黄色がSPYD、緑がS&P500です。
S&P500には敵いませんが、VYM, SPYDとは良い勝負になっているのではないでしょうか。
配当
このグラフは分配金(配当金)です。
VYMには勝ってますが、SPYDはさすがですね。
ここ2年くらい、コロナ・ショック以降は良い勝負です。
高配当PF構築の経緯・運用状況
きっかけは「ダウの犬」
2019年に投資の世界を足を踏み入れ、色々な投資対象に目移りしていたのですが、最初は「個別株には手を出さない」と決めていました。
「投資初心者の自分には無理! 危ない!」と考えていたのです。投資信託の積立だけで充分だぞ、と自分に言い聞かせていました。
しかし、興味を断つことはできず、いろいろ情報収集していました。
そんな中で、「ダウの犬」と呼ばれる投資法を知り、これなら自分にもできそう、と感じました。
メインの資産形成というよりは「楽しむ投資」の一環として、配当を楽しむゲーム感覚で、という言い訳をつけて、やってみることにしました。
どのようにしてPFを作ったのか
ダウの犬投資法では10銘柄のポートフォリオとなるわけですが、少しカスタマイズして、もっと銘柄分散したポートフォリオを長期で、永続保有したいと考えました。
銘柄数は20〜30くらい欲しいと感じたので、NYダウの30銘柄や、高配当ETFの組入銘柄をチェックしたりと、自分でもできそうな方法、情報ソースを探して、現在のポートフォリオを構築しました。
セクターをバランスよく分散しつつ、毎月配当になるようにするのは、けっこう難しかったです。
その辺りの経緯や実際の銘柄選定方法についての詳細は、長くなるので補足記事を別に書いています。興味がある方はそちらをご覧いただければ幸いです。
【MyPF解説②】投資初心者が高配当株投資の魅力について考える
こちらの記事では、わたしがなぜ高配当株投資を選好しているのか、メリット・デメリットについてどのように考えているのかを書いています。
【MyPF解説③】投資初心者が高配当米国株の探し方を考えてみた
こちらの記事では、わたしの銘柄選定方法について具体的に書いています。現在のポートフォリオを構成している18銘柄も紹介しています。
これまでの運用成績
評価額
次のグラフは、高配当株ポートフォリオの運用で利用してる証券会社の口座データから作成した、わたしの資産額の推移(円建て)です。
2024年10月末時点、1,750万円分の株式を購入・保有しています。
運用開始直後にコロナ・ショックの洗礼を受けましたが、金融緩和に伴う株高と、その後の金融引き締め(利上げ)による為替の影響で、82%の含み益、評価額は3,200万円ほどです。
株高も円安もたまたま遭遇しただけであり、わたしのポートフォリオ設計とは関係のない話ではありますが、今のところ順調に運用できていると思います。
まぁ、このポートフォリオはキャピタル・ゲイン目的ではないので、含み益がどうであろうとあまり関係はなく、肝心なのはインカム・ゲイン、次に説明する配当金の部分です。
ちなみに、2024年は6月から7月にかけて、CSCO, PG, MCDの3銘柄を10株残して売却しているため、資産額は減っています。一時的な現金化で、買い戻す予定です。
配当金
次のグラフは、このポートフォリオの運用を開始してから毎月受け取った配当金の実績(税引後、ドル建て)です。
買い増しを続けていることと、各銘柄の増配により、配当金は着々と増えています。
現在、毎月500ドル以上の配当金を受け取れる見込みで、年間では6,400ドル超≒76万円を超える不労所得を実現できています。
ゴール設定
このポートフォリオの目標は「毎月10万円の不労所得」を実現することです。
次のグラフは、月300ドルからスタートした想定で、毎年6%の配当アップを仮定した場合のシミュレーションです。
丸プロットの曲線が、3%配当再投資と3%の増配、合わせて毎年6%配当アップが実現できた場合のラインです。
棒グラフは、これまでの配当金の実績と、現在のペースが維持できた場合の今後の見込みです。
最初の2年でがんばって資金を投入したおかげで、シミュレーションのラインを超えることはできています。
あとは継続することができれば、月10万円の不労所得は夢ではありません。
現在のペースなら、5年ほど前倒しして実現できる見込み。
このあたりは為替の影響も受けて前後するとは思いますので、あくまで目安です。
不測の事態で入金や配当再投資が滞ることがあっても、2〜3年程度なら停滞しても計画に大きな支障はないくらいの余裕は持てています。(実際、3銘柄売却により2024〜2025年の配当成長は停滞しますが、それほど気にしてません)
実現する日が楽しみです。
まとめ
この記事では、わたしの高配当株ポートフォリオを紹介しました。
もともとは投資信託の積立だけと考えていたわたしですが、今ではこの高配当株ポートフォリオを育てることが楽しくなってしまい、こちらがメインになっています。
投資信託の積立も続けるつもりですし、投資が趣味や仕事ではない、普通の人の資産形成は、インデックス・ファンドの積立投資がベストという考え方に変わりはありません。
なので、万人におすすめするわけではないのですが、やってみたら意外とできるものだなとわたし自身が感じていますし、欲を出さなければ、安定した運用ができそうです。
興味を持ってはいるけど踏み出せない、そんな人にとって、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。